2014年7月10日木曜日

関東の古い聖地

このブログを書いている当人はカトリック信者だけれど、同時に先祖代々700年以上の歴史のある日蓮宗のお寺さん所縁の土地の人間で、さらに言えば平安時代以前からの千葉県人で、代々の関東の人間だからここでは関西のことはとりあげない。 最近、パワースポットということで明治神宮がとりあげられているようだ。でも、神宮に祭られている明治天皇の御遺徳に与かってとかなら納得もいかないでもないけど、100年かそこらの人工の森でもそんなに特別な何かを感じるのかな、その辺がよくわからない。これはどうも結局東京というところ自体が歴史が浅くて、本物の森に近い緑のあるところが少ないためということもあるのだろうと思う。 それはそれとして、東京を少し離れると、関東地方が開拓され始めたころからの、香取神宮、鹿島神宮という古い古い二つの神宮があって、この二つの神宮こそは当時は未開の地域だった関東に関西の朝廷の支配の手が及び始めたときからの歴史的な遺産でもあるのだ。 西の伊勢神宮と同じく、古来から知られた聖地でありながら、香取と鹿島の両神宮の性格は伊勢神宮とは大きく違っていたのは、この二つは関東を開拓、占領するための最初の拠点の意味もあったためのようだ。だから第二次世界大戦前までの日本人にとっては、香取、鹿島は武勇の守り神として知られていたのだ。 関東は古来武士の発祥の地だったくらいで、農耕の傍ら土地を守るために農民はイコールいつでも戦える体制にある武士でもあるのが当たり前だったから、信仰の対象も戦の守り神、武勇の守り神だったわけだ。 どうもこう書いてくると穏やかなパワースポットなどという生易しいイメージからは程遠くなりそうだが、今の香取も鹿島も両神宮とも古式豊かな深い緑に包まれた本格的な日本の神域のイメージにぴったりな場所だ。それも1000年以上の古い歴史のあるところなのだ。パワースポットを求めてというなら一度は行ってみて損はない場所だと思う。 関東は頼朝以来の武士の勢力の強い地域だったから、稲荷神社とか、三峰神社は別として、八幡宮、八幡神社にしてももともとは源氏の武士の守り神だったし、仏教寺院にしても背景に武士の力があることが多い。現代人がパワースポットに何を求めているかは知らないが、本来は命がけの所領安堵、戦での勝利、生き残ることを願う場だったのだろう。 今の時代がそういうものとまったく無縁かといえばそうも言い切れない気がする。今の戦は仕事であり、会社や社会の人間関係だろうし、手を拱いていれば生存競争に落ちこぼれる。生き残るのは相変わらず大変なのだ。 では、キリスト教はどうなのか、そのへんは司祭にでもきいてみてくださいな。

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